教員・研究紹介

教授:平石 賢二

HIRAISHI, Kenji 名古屋大学大学院教育学研究科 博士(教育心理学)

思春期・青年期における心理社会的発達と心理学的健康に関する研究と実践に取り組んでいる。特に、青年の発達を支えている社会的文脈としての親子関係、家族関係の構造と機能について関心をもっている。近年では、特に親子の相互信頼感と親子間葛藤について調査研究を行ってきたが、現在は思春期・青年期の子どもをもつ親の中年期課題について研究を進めている。また、将来的には思春期の子育てを支援するための心理教育プログラムの開発と実践を進めていきたいと考えている。
その他、学校臨床のテーマとして、不登校と子どもの発達を支援するシステムとしての包括的スクールカウンセリングプログラムに関心がある。

主要著書

  1. 心のなかはどうなっているの?−高校生の「なぜ」に答える心理学 福村出版 2023(共編著)
  2. 心の専門家養成講座⑦ 学校心理臨床実践 ナカニシヤ出版 2018(共編著)
  3. 新・青年心理学ハンドブック 福村出版 2014(共編著)
  4. 改訂版 思春期・青年期のこころ−かかわりの中での発達 北樹出版 2011(編著)
  5. 青年期の親子間コミュニケーション ナカニシヤ出版 2007(単著)

専門領域について

Q どのようなきっかけでこの学問を始めたのですか?

高校生のときに様々な心の問題に直面し、自分自身のことを深く考えるようになったのがきっかけです。また、その頃、倫理社会や保健の授業でも哲学や宗教、心の発達やメンタルヘルスの問題などを学習する機会が増え、心理学や精神医学に魅せられるようになっていきました。色々な体験、人や書物との出会いなどが重なったのですが、いわゆる青年期危機を乗り越えるためにこの学問が必要だったのだと思います。

現在の研究について

Q 現在の主要な研究の内容を教えてください

長年取り組んでいるテーマは、「青年期の親子関係」です。近年は相互信頼感、親子間葛藤とその解決プロセスをキーワードにして、横断調査・縦断調査を行っています。青年期の親子関係については、古くから第2反抗期とか心理的自立がキーワードとして挙げられてきましたが、これらの心理学的概念は実際には一般に知られているよりも複雑で多義的なため、正しく理解されてこなかったように思います。親子の関係性に影響を及ぼす要因は様々ですし、親子双方がこころの課題に向き合っています。その相互性の問題を生涯発達の観点から明らかにしていきたいと考えています。

Q 今までの研究で一番心に残っている出来事,ハプニングを教えてください

もう随分昔のことですが、一番心に残っているのは、博士研究のためにテープレコーダーとビデオカメラを担いで、大学生の家庭を訪問して回り、観察実験を行ったことです。色々な家庭がありますし、親子間の相互作用を自分の目で観察するというのはとても興味深いものがありました。東は豊橋から西は伊勢あたりまで一軒一軒訪問したのは少し骨が折れましたが、家族っていいなぁとしみじみと感じました。

講義について

Q 授業のねらい、背景を教えてください

「生涯発達心理学講義Ⅱについて」
生涯発達となっていますが、実際にはほぼ青年期に限定して講義内容を考えています。青年心理学は発達心理学の一領域ですが、青年を全人格的に理解し、また、青年を全生活空間のなかで位置づけるという立場をとることが多いです。
また、研究の方法論も質問紙法、観察法、面接法、日記分析、伝記研究など非常に多様な方法でアプローチする分野です。この授業では(まだまだ未完成ですが)青年心理学の魅力を伝えられるような授業にしたいと思いますし、この授業を通して青年期にある学生が自己理解を深め、自らのアイデンティティ形成に取り組むための何らかの刺激を得ることができればと考えています。

学生へのメッセージ

Q 求められる学生像を教えてください、またその他なんでも結構です。

主体的な学びが最も大切だと考えています。授業も学びの場のひとつではありますが、授業とは無関係に自分の関心のあることについて本を読みあさったり、好きなことを自由にのびのびと学べると良いと思います。どんなことでも構わないので、自分のこころと真っ直ぐに向き合って、自分らしさを探求してほしいです。

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