カリキュラム・単位

ユニークで多様なカリキュラム

教育学部に入学してから卒業までに履修する授業は、全学に共通して、あるいは複数の学部にまたがって開講される全学教育科目と、基本的に教育学部生だけを対象とする学部科目に分けられます。これらは、高度な専門的能力と総合的・自主的判断力を養成するという目的に関しては一体のものですが、現在のところ、1~2年次では主として全学教育科目を、3~4年次ではもっぱら学部科目を履修することになります。

名古屋大学では、1コマ90分の授業が1日4コマ(場合によっては5コマ)開講されています。また、授業期間は、4~9月の前期と10~3月の後期に分けられます。全学教育科目は大部分前期または後期だけでも完結する、いわゆる半期の授業です。一方、学部科目には、前期と後期にまたがって開講される通年の授業もあります。

大部分の授業では半期の受講で2単位が修得できます。卒業のためには132単位の修得が必要です。

全学教育科目

全学教育科目は、専門的な学部科目を学ぶための土台となる基礎科目と、豊かな人間性を育み、総合的な判断を培うことを目的とした教養科目に分かれます。基礎科目には、口頭発表やレポート作成など、大学での学習の基礎となる技能を少人数教育で養成する基礎セミナー、外国語運用能力や国際感覚を高めるための言語文化からなる全学基礎科目、心理学や教育学などの文系基礎科目などがあります。教養科目には、「生と死の人間学」「ことばの不思議」といった文系教養科目、「バイオテクノロジー」「現代医療と生命科学」などの理系教養科目、「女と男を科学する」「環境問題への挑戦」などの全学教養科目などがあります。

学部科目

学部科目には、講義、演習、実験演習、教育研究実習等の種類があります。

講義

講義は、学部全体を対象とした基礎的入門的講義と、5つのコースごとに開講しているコース科目に大きく分けられます。基礎的入門的講義は、文字通り教育学や心理学の基礎・入門にあたり、主に1~2年次で履修します。コース科目は各コースや領域の概論・概説的な講義から、高度な専門的講義に至るまで幅広く開講されています。学生は自分の所属コースの科目だけでなく、他コース科目も履修することができます。

演習

演習は講義と同様に、各コース・領域ごとに開講されますが、講義と比べて参加者は少人数になります。担当教員によって進め方は異なりますが、テーマに沿った文献(和書・洋書)を講読したり、研究資料を検討したり、実際に調査や実践活動をするものなどさまざまです。多くの場合、学生(個人またはグループ)の報告にもとづいて全体で討議し考察するといった形式で進められますから、参加者には積極的な姿勢が求められます。演習のなかで、卒業論文の着想を得る学生も少なくありません。

実験演習

実証的な研究方法には、講義だけでなく実際にそれらの過程を経験してみることによって初めて学びうるような側面も多くあります。心理系コースの実験演習は、そうした方法の基礎をしっかりと身につけることをねらいとしています。実験演習では、人間を対象とした研究のための広い意味での実験を経験します。たとえば「調査」では人間の意識や考えを客観的に聞き出すために工夫された諸方法を、「検査」では、心理テストの実施や結果の解釈の仕方を学びます。基礎的な実験演習4科目と課題研究が必修であるほか、上級の実験演習5科目のうちの2つが選択必修となっています。

教育研究実習

教育研究実習は、教育の現実に直接触れながら、実践的、 体験的な学習・探究をするプログラムです。すべて短期集中的に実施され、調査研究、フィールド・スタディ、ケース・スタディ など、教育発達科学研究としての貴重な体験をすることができます。具体的には、「地域教育調査実習」「社会・産業教育調査実習」「教育経営学実習」「教育方法実習」「海外教育調査研究」などがあります。

卒業論文

近年、卒業論文を課さない大学・学部が増えていますが、名古屋大学教育学部では、学生の4年間の学習・研究成果をまとめる機会として、この意義はとても大きいと考えています。また、大学院への進学がごく普通のものとなりつつある今日、卒業論文はその後の研究の出発点として、むしろますます重要になってきています。

クリアな問題意識と明晰な思考、そして精緻な調査に基づき、豊かな表現力を駆使して創造的かつ論争的な卒業論文がたくさん現れることを期待します。

教員とのコミュニケーション

教育学部では、学生と教員とのフェイス・トゥ・フェイスのやりとりの機会がたくさんあります。小規模な学部の利点を活かして、個々の教員が研究活動とバランスをとりながら、教育活動に熱心に取り組み、それが学生に大きな満足をもたらしています。学生による授業評価でも、本学部の授業への学生の評価はきわめて高いという結果が出ています。

「名大の授業NUOCW」では、名古屋大学の授業の一端をオンラインで公開しています。
どんな授業が行われているのか、ぜひ参考にしてください。

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