教員・研究紹介

講師:草彅 佳奈子

KUSANAGI, Kanako 英国 UCL Institute of Education Ph.D.(教育学)

教師の学びと同僚性について、国内外で研究を行っています。

現在、複雑化する専門性や長時間労働など、困難な状況に教師が直面する中、教師の学びを支える教師教育の重要性はますます高まっています。学び続ける教師を支え、共に歩む教師教育研究者の実践と理論をつなぐ研究に取り組んでいます。

小・中学校は日本、高校と大学は米国、大学院は英国で過ごしました。異国での教育体験との比較を通じて、「良い教育は一つではなく、社会のあり方や文化に依存する」ということを身をもって実感しました。また、国際協力の現場で働いた経験から、異なる社会文化的背景の現地の人を「支援する」ことの難しさも学びました。このような背景を踏まえ、どのように子どもの人生を豊かにする学びの体験を学校で提供できるか、また、それを支える教師同士の意味のある学び合いを実現できるかという課題に取り組んでいます。具体的には、日本型教育モデルが海外でどのような目的と意味を持ち実践されているのか、教師の協同的な学びを支える授業研究(レッスンスタディ)と、子どもの学びに寄り添う教育活動(Tokkatsu)の研究を行っています。

キーワード:
授業研究、レッスンスタディ、教師の学び、同僚性、教師文化、教育移転・教育借用、ESD、市民性教育、Tokkatsu

主要著作

  1. Kusanagi, K. N. (2022). Lesson Study as Pedagogic Transfer: A Sociological Analysis. Springer Nature. 
    (国際開発学会 2024年度 奨励賞受賞)
  2. 草彅佳奈子「教師コミュニティの比較教育学研究」秋田喜代美・藤江康彦編著『これからの教師研究~20の事例にみる教師研究方法論~』東京図書, 2021, pp. 304-317.
  3. 草彅佳奈子. (2021). レッスンスタディの再文脈化 インドネシアの中学校教員の実践と社会的統制. 教育学研究, 88(2), pp. 259-272.
  4. Kusanagi, K. N. “Historical Development of Lesson Study in Japan,” Oxford Research Encyclopedia of Education, 2021,
    https://doi.org/10.1093/acrefore/9780190264093.013.1216
  5. 草彅佳奈子「インドネシアの教員コミュニティにおける「教員ストラテジー」に関する考察―ジャワの公立中学校の事例を通して―」『比較教育学研究』61, 2020, pp. 120-140.
  6. Tsuneyoshi, R., Sugita, H., Kusanagi, K. N., & Takahashi, F. (Eds). The Japanese Educational Model of Holistic Education: TOKKATSU, World Scientific, 2019.
  7. 草彅佳奈子「第18章 海洋教育と社会的学習」北村友人・佐藤真久・佐藤学編著『SDGs時代の教育―すべての人に質の高い学びの機会を』学文社, 2019, pp. 260-271.

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