活躍する卒業生

小國 翔平

2021年3月 教育発達科学研究科 博士前期課程修了

現職:東海中学・高等学校 数学科教諭

数学の教員志望で他大学の理学部数学科を卒業しました。学部生の頃、読んでいた本の中で授業研究に出会い、興味を持ちました。学校で数学を教えるためには数学だけでなく教育学についても知っていたほうがとよいと思ったことがきっかけで、名大教育の大学院に入学しました。

大学院ではどんなことを学びましたか?

授業は、専攻していた教育方法学に限らず、教師教育学、社会・生涯教育、人間形成論など、様々な授業を受講しました。学校以外の場面での「教えること」や「学ぶこと」について、様々な視点から学びました。
専攻していた教育方法学のゼミでは、逐語記録の子どもの発言1つに着目し、どのような思考をもとに生まれたのか検討・議論したことが印象的です。発言1つに対して、解釈を決めつけることはできず、妥当性は何か、他の解釈は本当にないのかといった姿勢を身に付けられたと思っています。

大学院での学びで一番印象深かったことを教えてください

一番印象深かったことは、修士論文の執筆です。私は、対話的な学習過程はいかにして成立するかについて研究しました。調査地として、宮崎小学校で授業を撮影・録音させていただいたのですが、授業では子どもたちから対話が生まれていたことが多く、とても活発で、生き生きしていたことが印象的でした。研究する中で行き詰まることはとても多かったですが、指導教員や研究室の先輩、同期の院生から様々な指摘やアドバイスをいただいたからこそ執筆できたと思っています。特に、執筆している期間は、指導教員の研究室に頻繁に通い、指導をいただけました。1人で黙々とするのではなく、周りに聞きにいき様々な考えを知ることは大事だと実感しました。

現在の仕事について教えてください

中高一貫校の男子校で数学を教えています。現在は、主に中学生の授業を担当しています。授業をしていると、1つの問題に対して色々な考え方が出ることが多く、私自身も生徒から学ぶことが多くあります。生徒が「わかった!」や「すごい!」「面白い!」と言ったときにはとてもやりがいを感じます。さらには、生徒たちが自然と教え合っていることも頻繁にあり、学校で授業を受ける意義の大事さを感じます。

大学での経験は仕事で生かされていますか?

逐語記録をもとに、生徒の発言がどのような思考を経て生まれたのか検討・議論した経験は、現在の自分の授業の中でも通じています。実際に、同じ内容を複数の教室で授業しても、生徒の発言はそれぞれのクラスで違っていて、授業の進み方も変わります。生徒たちは1人1人の考え方を持っており、出てきた発言に対して発問をしたり、他の生徒に回したりして、発言を上手くつなぐことはとても難しいです。しかし、名大教育で学んだ「授業での1つ1つの発言に向き合い、考える姿勢」は、自分の授業洞察力を高めることに、そして生徒の学びを豊かにすることに寄与していると思っています。

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