教員・研究紹介

准教授:山内 星子

YAMAUCHI Hoshiko, PhD 

 青年期の人々のウェルビーイングや能力発揮を促進する要因に関する研究を行っています。現在は特に,以下の2つの研究に取り組んでいます。

 1つめが,自閉スペクトラム症やその傾向を有する青年期の人々を対象とした研究です。自閉スペクトラム症は発達障害のひとつであり,その傾向のある人々も含めて,抑うつ,不安が高くなる傾向にあることが一貫して報告されています。一方で,自閉スペクトラム傾向が高くても幸福感が高かったり,精神的健康を保っている人々が一定数存在することも示されています。自閉スペクトラム傾向の高い人々への効果的な支援や環境整備を検討するため,自閉スペクトラム傾向が抑うつ,不安を生じさせるプロセスに関する量的検討や,能力を発揮し幸福感を高く保っている人々をとりまく環境や特性に関する調査,事例検討を行っています。

 2つ目は,一般大学生をとりまく様々な要素(例えば,性格特性,居住環境,人とのかかわり,入学までの学習習慣・成績等)が,大学在学中の精神的健康,学業成績,進路の満足度に与える影響についての縦断研究です。大学在学中に精神的健康が低下し,様々な支援を必要とする学生は少なくありません。しかし,支援機関のリソースは不足し,新たな支援方略が必要とされています。また,思うように自分の強みを生かす道をみつけられないまま卒業する学生もいます。本研究では,心理,社会的な不適応/適応をもたらす要因に関する量的検討を行うことにより,予防的介入や能力発揮促進的支援の可能性を探っています。これまでに,高校在学時の学習習慣が大学における学業上の適応にとって重要であること,性格特性と学業成績には関連があること,学内におけるソーシャルサポートの重要性などが示唆され,今後は縦断データをさらに蓄積して具体的な支援方略につなげたいと考えています。

主要論文・著書

  1. 新型コロナウイルス流行下の一般就労者における自閉症スペクトラム特性と心理的適応との関連――テレワークの調整効果に着目して―― 山内星子, 佐藤剛介 自閉症スペクトラム研究 22(2) 5-13 2026年2月
  2. 学生相談におけるギフテッド支援 山内星子,LD研究 32(4) 273-279 2023年11月
  3. 青年期の自閉症スペクトラム特性と心理的適応との関連 :生活上の困難とソーシャルサポートを媒介変数として 山内星子, 杉岡正典, 鈴木健一, 松本真理子, 発達心理学研究 34(1) 19-28 2023年3月
  4. 天才の臨床心理学的研究 名古屋大学創造性研究会(編) 遠見書房. 2024年5月(分担執筆)担当箇所: 第5章「理系研究者たちの個性的な創造性4タイプ」,第13章「対人関係という難問」,コラム1「今どきの大学生の幸福感」

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