活躍する卒業生

匂坂 美緒

教育学部卒業

名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士前期課程

高校時代、やりたいことや興味のあることがなく、教育なら自分も受けてきたのだから苦ではないだろうと教育学部を選びました。学部3年時に少し就活をしましたが嫌になり、ひとまず院進することにしました。またコロナウイルスで、あるはずだったたくさんの機会や経験を失いました。
それでも今、私は自分のいる場所に満足しています。将来に対して希望を持てています。それは決して向上心がない訳でも妥協した訳でもなく、選んだ解も、選びたくなかった解でさえも、正解にできたからです。そしてそれは間違いなく、教育学部生・院生での学びによって、「考える」ことができるようになったからです。
教育学部には、「考える」練習をする機会がたくさんあります。授業では「あなたの意見は」と問われ続け、レポートの数が多く、テーマから自分で設定して書かなければいけないものもあります。大学生になったばかりの頃は、考えることがどういうことかすら分かっておらず(だからやりたいことがなかったのだと思います)、考えろ、意見を書け、と言われてもピンときませんでした。けれど日々の授業や学期末のレポート提出の度に、分からないなりに言葉を生み出し続けました。そうしているうちに段々「考える」ことができるようになってきました。今では「考える力」が自分の強みだと自信を持って言えます。
選択肢と変化の多い現代において、正解を選ぶことは大事かもしれません。けれど実際には、選択肢や変化が多すぎて、正解を選ぶことが難しく、そもそも選べないことも多くあると思います。もちろんこの世は「正解」と「不正解」で構成されている訳はなく、あらゆる物事がそのどちらかなどと決める必要もありません。それでも、自分の過去や現在に対して、「納得」という形で自分にとっての「正解」をつくり出せると、未来に対して希望を抱くことができます。
選んだ解を正解にする力、選びたくなかった解でさえも正解にする力、つまり「考える」力。それを養う機会が他の学部より多いこと、それが名大教育学部の魅力だと考えています。

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